CoincheckのNEM流出事件で一番悪いのは誰なのか?

先週末に起こったCoincheckのNEM不正送金事件について、その炎が収まる気配は未だにない。

そんなCoincheckや仮想通貨に対するメディアの態度は今も昔も変わらない。
彼らは時にそれら擁護し、あるいは叩き、疑問の声を上げる者もいる。

サービス登録者数や出来高、営業収益など会社の基本情報に関する質問に、和田氏と大塚氏は「株主と相談して公開するか検討する」「株主に確認が必要」などと繰り返し発言。
報道陣からは「支払い余力があるか、それでは顧客がわからない」「顧客軽視では」など疑問の声も。
利用者保護が後手にまわっていた形を印象づけた。
-コインチェック経営陣、しどろもどろの謝罪会見
http://www.huffingtonpost.jp/2018/01/26/coincheck-nem_a_23345106/

そんな中、金融庁はCoincheckを処分する方向であることが本日報道された。

金融庁は、不正アクセスにより時価約580億円相当の仮想通貨「NEMネム」が流出した仮想通貨取引所大手「コインチェック」(東京都渋谷区)に対し、週内にも行政処分を行う方針を固めた。
改正資金決済法に基づく業務改善命令を出す方向で検討する。
一部業務停止命令も出す可能性がある。
-流出被害、金融庁が「コインチェック」処分へ
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180128-OYT1T50008.html

さて、事件の一連の流れで僕が強調したいのは、”この事件で一番悪いのは誰なのか?”ということだ。

その答えは明白である。
不正アクセスを行い、仮想通貨を盗んだ人物だ。

なぜこんな当たり前のことをわざわざエントリにするのかというと、世の中の多くの人が、仮想通貨はただの”ツール”で、Coincheckはただの”業者”であること、そしてその責任の範囲や所在と言うものをイマイチよく考えていない、と思うからである。

理解が難しい人のために日本円で例えるなら、「銀行が強盗に襲われて金(日本円)を盗まれたら、罪に問われるのは誰か?」という話だ。
一応説明しておくと、今回の事件では、日本円が仮想通貨(NEM)、銀行はCoincheck、強盗はハッカーに当たる。

ニュースやTwitterでは「Coincheck代表がしどろもどろ」とか「仮想通貨なんてうさんくさい」、あるいは「(Coincheckに)金返せ」という論調が多く見られる。

その一方で、「ハッカー●ね」みたいな話は非常に少ない。
あるいは、この事件におけるCoincheckの対応の速さや、NEM財団の盗難防止プログラムの開発などが話題となることも非常に少ない。
その辺の銀行や大企業・役所であれば、ここに漕ぎ着けるまでに軽く1ヶ月はかかるだろう。

ネム技術の発展を推進するネム財団は、国内の仮想通貨取引所大手のコインチェックから約580億円のXEMが流出した事件を受け、流出資金の自動追跡プログラムの開発を開始し24~48時間以内には稼働を開始できると述べました。
-ネム財団、流出資金の自動追跡プログラムの開発を開始「数時間で事件は解決する」 
https://coinbusiness.jp/n/n127fcf2a3e99

もちろん、セキュリティ性の高い”マルチシグ“の非採用など、Coincheck側にも非が全くなかったわけではない。

しかし、セキュリティをどう対策をしても、盗難リスクはゼロにはならない
どんな銀行でも、銀行強盗に襲われる可能性はゼロではないように。

僕には、そんな被害者であるCoincheckをボコボコにすることは、どうしてもできない。

弱者の味方や被害者感情の体現者を自負するインターネットやメディアの言論空間において、この状態はちょっと不自然とも言える。
ビットコインが被害にあった、あのマウントゴックス事件から、人は何の成長もしていないのだ。

道具を使う人間の方が進化しなければ、テクノロジーは何の意味もなさない。
テクノロジーは進化の過程で人間の手から離れていく」とはよく耳にする表現であるが、離れていってるのは実は我々人間の方かもしれない。

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