続々と広がる”成果報酬型”という経済圏

先日、ヘルスケア業界に衝撃的なニュースが流れた。

外資系の製薬企業であるノバルティス・ファーマが、特定の医薬品による治療費の支払いを”成果報酬型”で対応することを発表したのだ。
従来の製薬企業の持っていた、堅いイメージを払拭するような画期的な方法である。

具体的には、同社の提供する「キムリア」という、”B細胞性急性リンパ芽球性白血病”の患者の治療薬の支払いにおいて、この「成果報酬型」が導入される。
治療後1カ月終了までに「キムリア」の有効性が認められた場合に限り、患者に治療費の支払いを求めるというわけだ。

ちょっと調べてみたところ、この「キムリア」の薬価は、遺伝子操作技術が高コストのため、治療1回あたり47万5000ドル(約5300万円)と超高額のようだ。
(下記ニュースサイトを参考)

さて、”成功報酬型”という支払形態自体は、今やそれほど珍しくない。
ブログやホームページのアフィリエイト報酬は有名だが、それ以外にも企業のシステム開発でも利用されることのあるビジネスモデルである。

全日本空輸(ANA)が、貨物事業向けの新基幹システムでNTTデータと成果報酬型の契約を結んでいることが分かった。
新システムは、貨物の予約や搬入、積載など一連の中核業務を支援するもので、2013年3月に稼働している。
ANAは新システムの月額利用料金をNTTデータに支払っている。
システム利用料金は、ANAが取り扱った貨物量(貨物の搭載重量)に応じて変わる。
-ANA、新基幹システムでNTTデータと成果報酬型契約を締結
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130704/489353/?rt=nocnt

この成果報酬型システムの一番良いところは、「ユーザー(患者)とゴールを共有できる」というところにある。

今までの製薬企業のビジネスは、悪い言い方をすれば「いかに大量に薬を売って金を稼ぐか」というところに本質あった。
成果報酬型のビジネスモデルは、これを大きく覆し「どれだけ多くの患者を効率よく治せるか」という部分に主眼が置かれるようになるのである。

もちろん、何を持って「薬によって病気が治癒した」かを定義するか、それをどのように測定するのかなど、課題は山積している。
通常、がん治療は薬物治療だけでなく手術や放射線など、複数の治療法を掛け合わて行うことがほとんどだからだ。

しかし、この成果報酬型の取り組みは、その課題を乗り越えてまで実現してほしいものである。
そうすることで、製薬会社は真の意味で、患者とようやく向き合うことができるのだ。

治ったときだけ支払う「成功報酬型」のがん治療薬「キムリア」で医療は変わるか?

<概要>
2017年8月30日、ノバルティス ファーマ(スイス・バーゼル)は、難治性または2回以上の再発が認められるB細胞性急性リンパ芽球性白血病(ALL)の小児および若年成人(25歳以下)患者の治療薬「キムリア」(CAR-T細胞医療CTL019)がFDA(食品医薬品局)の承認を初めて取得したと発表した。
この新薬が大きな注目を集めているのは、治療後1カ月終了までに「キムリア」の有効性が認められた場合に限り、患者に治療費の支払いを求める「成功報酬型」システムを導入する見込みだ。
つまり「効果が無ければ払わなくてもいい」という、健康食品通販のうたい文句並みのシステムが抗がん剤で開始されるということだ。
http://healthpress.jp/2017/10/post-3286.html

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