経営責任を刑事罰で問うのはやめたほうがいい

例の過労死事件で、電通刑事責任を追求されている。
電通の社長が出廷し、起訴内容を認めているようだ。

さて、僕は、経営責任の刑法による処罰には断固反対だ。
なぜなら、それは経済発展を著しく損ない、息苦しい社会を作ることになってしまうからである。

もちろん、この事件は若くて未来ある女性を死に追いやった悲惨な出来事だ。
企業の責任を追及し、二度と同じような事件を起こさないようにしなければならない。

しかし、経営サイドが社員の働き方や仕事内容をちゃんと把握できるのか、と聞かれると甚だ疑問である。

極端な話、個人個人の労働時間なんて把握している大企業の経営者はいないだろう。
チームやグループで休日出勤をこそこそとやられてたら、それこそどうにもならない。

では、そのような状況で、経営責任で刑務所にぶち込まれる可能性がある場合、皆さんは会社経営をしたいと考えるだろうか?

刑務所にぶち込まれるリスクがあれば、とにかく管理最優先で保守的でスピードの遅い、閉鎖的な経営をする経営者がほとんどではないか。
僕は、この日本を、そんな息苦しくて貧しい社会にはしたくない。

こういう話をすると、「電通を擁護するのか」とか「遺族の気持ちになってみろ」といった罵声が飛び交うこと間違い無しなのだが、それを民事裁判で扱うべきだ。

経営者は追放され、現場責任者は懲戒、会社は賠償金を払う。
それが正しい処罰なのだ。

誰も、強制労働をさせられているわけではない。
それに、経営者に刑事罰が下って君の心がすっきりしても、失われた命は返ってこない。

その上、日本全体を巻き添えにして沈んでいこうとすることが懸命な判断だとは到底思えない。
目には目を歯には歯を」という低い視点から抜け出し、もっと全体を考えた議論がされるべきである。

電通に罰金50万円求刑 違法残業初公判、社長が出廷

<概要>
違法残業があったのに必要な防止措置を取らなかったとして、労働基準法違反の罪に問われた広告大手・電通(東京)に対する初公判が22日、東京簡裁(菊地努裁判官)で開かれた。
大企業が長時間残業について刑事責任を追及され、トップが法廷に立つのは異例。
法人を代表して山本敏博社長(59)が出廷し、起訴内容についての認否を問われ、「間違いありません」と罪を認めた。
検察側は「自社の利益を優先させ、違法な残業が常態化していた」と指摘し、罰金50万円を求刑。
公判は同日結審した。判決は10月6日。
http://www.asahi.com/articles/ASK9M6J8ZK9MUTIL06C.html

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