タバコの値上げはいくらが妥当なのか?(その2)

昨日に引き続いてのタバコ値段記事である。
前回は、タバコの持つ”嗜好品”という特徴から、価格の”下方硬直性”と”弾力性”を解説した。

早速、価格を求めていきたいところであるが、その前に確かめておくべきことがある。
そう、「タバコの価格を構成する要素」である。
これを改めて整理したい。

そもそも、タバコの価格決定は十中八九”コストプッシュ的”である。
本来はインフレ構造を解析するためのワードであるが、ここでは、価格決定において「コストの積み上げ」が主体になることを意味する。

タバコの価格が需要メインで決まることは想像しにくい。
目標の税収から逆算してタバコに関する税金がお上から降りてきて、タバコ1箱の価格が決まるはずだ。

この逆は”ディマンドプル的”な価格決定である。
これは、需要の増減が価格決定の主役となる製品のことを指す。
例えば、金融商品などはディマンドプル的製品に当たるだろう。

では、タバコの価格はどのような要素によって決定されているのだろう。
2年前のデータだが、JTの公式HPに良いイメージがあったので引用したい。

-『たばこ税の仕組み』より引用
https://www.jti.co.jp/tobacco/knowledge/tax/index.html

なんと、価格の約6割が税金である。
改めて見ると、凄まじい税率だ。

税金の内訳だが、地方と国へのたばこ税とたばこ特別税(特別ってなんだよ)、消費税で構成されている。
裏を返せば残りの約4割が、タバコの原価とJTの利益であると考えていいだろう。

そして、もうひとつ注目したいのが同じページの下部にある”たばこ税額の推移”のパートだ。

-『たばこ税の仕組み』より引用
https://www.jti.co.jp/tobacco/knowledge/tax/index.html

説明とグラフを見れば分かるが、どうやらたばこ税年間2兆円はどうしても死守したいようだ。
グラフは「基本的にはゆるやかな下落傾向、年間2兆円を下回りそうなタイミングで増税し、税収増加」という一連のフラクタルを形成している。

”基本的にゆるやかな下落傾向”とは、前回の記事で説明したとおり「タバコを吸う人は減少している」という意味で間違いないだろう。
なので、たばこ税の総額を増やそうと思えば、「一人あたりタバコ消費量を増やす」か「たばこ税を増やす」かのいずれかしかあり得ない。
そして、政府がタッチできるのは後者の「たばこ税を増やす」しか無いわけだ。

さて、今回の記事では、タバコの価格を決定する要素を、特に税金面について整理した。
数式としては、以下のような式が成り立つと考えていいだろう。

①:タバコの価格 = 原価 + JTの利益 + たばこ税 + 消費税
②:たばこ税 + 消費税 = タバコの価格 × 60%
(原価 + JTの利益 = タバコの価格 × 40% )
③: タバコの価格× 60% × 販売量 = 2兆円

これらの数式を導き出したところで、次回は「原価 + JTの利益」について言及したい。
長編となってしまうが、少しばかりお付き合い頂きたい。

フランス たばこ1箱1,300円へ

<概要>
フランス政府は、たばこ1箱をおよそ1,300円に値上げする方針。
フランス政府は今後、3年以内に、たばこ1箱を今より4割ほど高い、およそ10ユーロ、日本円でおよそ1,300円に、段階的に値上げする方針を明らかにした。
これは、フランスでの喫煙率が、この20年間でほとんど減らず、たばこ関連による死者が毎年8万人に達しているため。
これまでにない大胆な値上げとなり、フランスはノルウェーなどに続いて、ヨーロッパで最もたばこが高い国の1つとなる。
ただ、値上げの具体的な時期などは決まっておらず、今後、議会で審議される。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00366185.html

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