【九州大雨】こんなときだからこそ触れておきたい『災害時の便乗値上げ』

未曾有の大雨で、九州地方がとても大変なことになってますね。
僕の父の実家が大分県(幸い被害はさほど無いようだ)なので、あまり他人事では居られず少し心配になってしまいます。

こんなときこそテクノロジーの出番で、TwitterとかLINEにはインフラとして是非ともそのチカラを見せてほしいのだが、実際にはネットに繋がらなかったりスマホが使い物にならなかったりと、それどころじゃないような状況になってしまうようで。
できることといえば、Twitterにアップロードされた災害の凄い映像に、マスメディアが群がることぐらいなのだ。
テクノロジーの進歩は、途上であると言わざるをえない。

さて、タイトルについて。
不謹慎と罵られるかもしれないが、今だからこそあえて書いてみた。

災害時の便乗値上げ”とは、「災害時の物資不足状態に、店は商品の値上げをするべきか否か」という命題のことだ。
この問いには、経済学や経営学、ゲーム理論に哲学などの様々な考え方が絡んでくるため、一様に答えが求まらない。

そのため、たまに思い出したように議論されては、ネットの海の中に消えていくのだ。
しかし、個人的にも興味があるし、折角の機会なので、今一度この命題に触れてみたい。

ちなみにだが、個人的な考えはこのようなものだ。

”市場原理による値上げは妥当。しかし、経済活動は災害後も続くので、「値上げを一定の範囲内に収める」。もしくは、「高値で売り抜けて災害後は店を閉める」のが良い。”

論点の整理

この命題だが、さまざまな論点があるので、少し整理しておきたい。
理解しやすくするため、よく出てくる”疑問”に答える形で説いていきたい。

Q1.被災者のことをちゃんと考えるなら、無料にして提供するべきだ。
A1.無償にすると”分配機能”が上手く働かず、多くの被災者に物資が行き渡らない恐れがある。具体的に言えば、無償提供にすると品物の供給が”先着順”や”力の強い者”の取り放題となってしまう。ある程度の価格設定をすることで、”購買力”という弁を作り、物資を分配できるようにするのが望ましい。

Q2.被災者の足元を見て金儲けとは不当である。
A2.きちんと金儲けをしているからこそ店を経営できるし、在庫を持つことができる。これが慈善事業のようなものであれば、緊急時に提供できるほどの在庫を店は持てないし、リターンがなければ在庫をもつインセンティブも働かない。このような風潮が存在することは、緊急時の物資不足に繋がる恐れもある。

Q3.他に選択肢がない(=擬似的に独占状態となる)のだから、市場メカニズムなぞうまく働かないのでは?
A3.これはおよそその通りで、独占状態では消費者が割を食ってしまうため、問題となりうる点となる。しかし、事前に合理的選択を取らず、市場を歪めている消費者の行動が全くないとはいえない。この場合で言えば、消費者が”災害が起こるリスク”を過小評価しているとも言える。例えば防災グッズなどを購入したり、家に耐震工事をすることだってできたはずだ。

Q4.一時的に金儲けはできても信用を失うので、店側は値上げをするべきではない。
A4.これも半分ぐらいはその通りゲーム理論的に言えば、何度も繰り返し行われるゲーム(長期的な店舗経営)においては協力解が最適解となりうる(これを”フォーク定理”という)。ここでいう協力解は「不当に価格を釣り上げないこと」だと考えられるので、長い目で見た信頼を考慮すればそのような行動を取ることが妥当である。半分と表現したのは、値上げをすべきでないとする”協力”が店側によるものに限られるので、”消費者からの協力(=多少の値上げは仕方ないと受け入れること)”も必要であるということである。

以上、ここまで偉そうに書いてきたが、論理的に言えば、最後のA4には少し悲しい追記があることを忘れてはならない。
これが、”「高値で売り抜けて災害後は店を閉める」”という選択に結びつく論理のひとつだ。

A4(追記).ゲームを”長期的な店舗経営”ではなく、”有事の店舗経営”として考えれば、ゲームが繰り返し行われることはない(被害の大きい災害はさほど多くない)ので、フォーク定理が成立しない。なので、長期的な信頼は度外視し、ここ一番で”売り抜ける”ことも選択肢としては大いに有り得る。

珍しく小難しいことを記事にしてみたが、頭の体操に、あるいはゲーム理論や経済学の勉強へのきっかけとして、読者の方もこの命題に取り組んでみるのも良いかと思います。

長崎県でも50年に一度の大雨 福岡県と大分県は大雨特別警報継続中

<概要>
梅雨前線の影響で福岡県と大分県ではこれまでに経験したことのないような大雨となっているが、長崎県でも50年に一度の大雨になるなど、九州で大雨のエリアが広がってきている。
九州北部地方を中心とした大雨は、あす7日にかけても続くため、引き続き土砂災害に最大級の警戒をし、低い土地の浸水や河川の増水、氾濫などにも厳重な警戒が必要だ。
 西日本に停滞する梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んでいる影響で、西日本を中心に大気の状態が非常に不安定となっている。
梅雨前線はあす7日にかけても、西日本に停滞する見込みだ。
福岡県朝倉市では総雨量が550ミリを超え、平年の7月と8月の2か月分に相当する大雨になっているが、長崎県壱岐市でも午前10時40分までの24時間に327ミリの雨が降るなど、7月としては観測史上1位の大雨となっている。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170706-00010004-wmap-soci

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