変な残業規制策に違和感…

昨今、”働き方改革”に対する論争や法規制の話が後を絶たないが、結局のところ国が一番やりたいのは”残業抑止”であることに異論はないだろう。

この”残業”をめぐる争いは、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで社会を駆け抜けており、ついにはかの電通ですらも打ち倒してしまった

しかしその割には、国が行おうとしている残業抑止の策としては、目標としても、そして実感としても微妙である。

電通が打ち倒されてから変わったことといえば、社長が辞任したことと、残業規制の上限が100時間とする改革案(笑)の構想を打ち出したこと、そしてインターネットに数多蠢くネットイナゴ達(死語)がキャンキャン騒いで、自分達の溜飲を下げたぐらいのものだ。
(2017年3月現在。もっとも、「社長辞任では済まされない」という見解を示した厚労省大臣もいるので、おそらく処分はこのかぎりではない)

この国の政府やブラック経営者&それでも仕事をやめない労働者の変わらなさ具合は、さながら「痩せたい」と普段から口にしている癖に、ヒマがあればお菓子を頬張っている、ぽっちゃり気味の女子大生のようだ。

僕を含めた様々な人間が「こうした方がいいんじゃない」と知ったようなことを語るのは、ぽっちゃり女子大生に「痩せたいなら食べる量を減らして、運動すると良いよ」とつまらないアドバイスをするようなセンスのない行為なのかもしれない、と最近感じるようになってきた。

さて、国の計画や案がイマイチイケてないのは、それらが非常に中途半端なものだからだ。

「労働者を一律に時間で縛ってやろう」というのがビジョンとして共感できない。
これは詰まるところ、”中央的な管理”をしようとするもので、”軍隊的”と表現しても良いかもしれない。

実際的に考えても、急患が舞い込んできた病院で医者に定時に帰られて、困ったさんになるのは目に見えている。
(もちろんそれは国も理解しているようで、本エントリ下部のニュースでは”猶予期間”を設け、段階的に実施するようである)

とはいえ、これは国としても仕方ない面があって、放っておいても企業が全然取り組んでくれないのだ。
これは、「通勤ラッシュ改善」とか「育休」にも同じようなことが言える。

だが、少なくとも労働市場においては「バリバリ働いて稼ぎたい人もいれば、仕事はそこそこに余暇や家族との時間を楽しみたい人もいる」というように、様々な価値観があり、それぞれが共に認められるべきだという理想としての考えがあると思う。
そして、有給消化率とか育休取得実績とかいう指標が増えているあたり、そのような考え方が、昨今汲み取られていると言って差し支えないだろう。

国が「仕事の時間を減らせ」とか「もっと働け」とお達しを出すのは、それに合致する一部の価値観の人には問題ないが、そうでない価値観の人を無視することになるんじゃないかと。

本当は勤怠管理なんて意味不明だし、完全に自由にすればいいんだろうけど…
まぁ世論的に無理でしょうな。

医師の残業 法施行5年後に規制へ

<概要>
「働き方改革」をめぐって、政府が、医師の残業時間の上限について、法律を施行して5年後に規制をかける方向で検討していることがわかった。
政府は、残業時間の上限を年間「720時間以内」とし、忙しい月は「100時間未満」とすることを盛り込んだ法案を提出したい考え。
しかし、医師については、患者の求めがあれば、診察や治療を行う義務があるため、法律施行後5年間は「猶予期間」とし、その後、残業時間の規制を設ける方向で検討していることがわかった。
医師を増やすためには、医学部の定員を増やすなど、時間がかかることも背景にある。

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20170323-00000220-fnn-pol

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