【読書録】重力とは何か-大栗 博司著(幻冬舎新書)

私は毎日、重力のことを考えています。
それについて何十年も考え続けている私は、世間から見ると、かなりの変わり者に思われるかもしれません。
重力の影響を受けていない人間はいませんし、自分の「体重」については真剣に考える人が大いますが、重力についてあらためて考える人はめったにいません。
ですから私は、ときどき寂しい思いをします。
-大栗 博司『重力とは何か』#はじめに より引用

宇宙系の本に初めて手を出しちゃいました。

理由は、イーロン・マスクやジェフ・ベックなどが手がける、アメリカの宇宙ベンチャーのニュースを最近良く聞くようになったため。
宇宙というとテーマが壮大すぎるんで、手始めに身近な”重力”から手を出すことにした。

イーロン・マスク氏率いる宇宙企業スペースXは2月27日(現地時間)、2018年に月へ向けて有人宇宙船を打ち上げ、帰還させると発表した。
 宇宙船に搭乗するのは2人で、ただしNASAなどの宇宙飛行士ではなく、民間人の”旅行者”だという。
この2人はすでに運賃の一部を手付金として支払っており、今年の後半から宇宙飛行に向けた訓練を始めるという。
この2人の氏名や支払った金額などは、今はまだ明らかにされていない。
 今回の発表は、事前に一切内容は明かされず、うわさすら流れないなど、まったくの青天の霹靂であり、さらにトランプ大統領がNASAの有人月飛行計画の前倒しを要請する動きを見せていた中での発表となったことで、大きな波紋が広がっている。
-スペースX、2018年に2人の民間人を月へ打ち上げへ。その狙いとは?
(https://hbol.jp/131419)

ジェフ・ベゾスの宇宙企業、Blue Originは次世代大型ロケット、New Glennを開発中だ。
Blue Originはさきほどビデオを公開し、このスーパーロケットがどのように打ち上げられるかを紹介するCGビデオを公開した。ネタバレになってしまうが、これはSpaceXのFalcon 9に非常によく似ている。
下にエンベッドしたビデオで、ロケットはBlue Originの発射基地から垂直に打ち上げられ、洋上を航行する大型プラットフォームに垂直に着陸する。
これは現在SpaceXが用いているのとほぼ同様の方式だ。
ただしCGアニメを見るかぎりでは、New Glennの着陸プラットフォームは大型船上に設けられており、乗員がいるもようだ。
SpaceXのブースターはこれと異なり、自律航行する無人の艀に着陸する。
-これがジェフ・ベゾスの次世代ロケットだ―Blue Origin、New GlennのCGビデオ公開
(http://jp.techcrunch.com/2017/03/08/20170307blue-origin-reveals-the-new-glenn-takeoff-and-landing-sequence-in-new-video/)

重力の不思議なところを伝えて読者の興味を引いてから、「物理学」「量子論」「超弦理論」などの学問のことを、とてもわかり易く説明する。

「ニュートンがリンゴの落下を見て万有引力という考え方を思いついた」という逸話のように、難しい話日常に置き換えて説明するというのは、スタンダードながら読者を選ばない説明手法であり、読んでいて膝を打つ場面も多かった。

例えば、重力の”弱さ”に関する説明について。

どうして、万有引力を検証するのにそんなに時間がかかったのでしょうか。
それは、重力が「弱い」からです。
重力は地球上のほぼすべての物質を地面に縛りつけているのですから、「弱い」と言われて意外に感じる人も多いと思います。
(磁石を)ある程度まで近づけると、クリップはピョンと跳び上がって磁石にくっつくでしょう。
ごく当たり前の現象だと思われるかもしれませんが、そのクリップは、下から地球の重力でも引っ張られています。
地球の重さは、六〇億×一〇億×一〇億グラム。
重力は重い物体ほど強いのですが、それだけの重さを持つ地球の重力よりも、ほんの数グラムしかない小さな磁石の引力のほうが強いということです。
-大栗 博司『重力とは何か』#重力の七不思議 より引用

最後のどんでん返し”重力は幻想であり存在しない”

本著の最初の方で著者が宣言する。
本著を読み進めた読者にとって、最後にどんでん返しがありますので、楽しみにしていてください、と。

どんでん返しとは、通常サプライズ的に行われるものだ。
読者と共犯関係を築いてのどんでん返しなど聞いたこともない…
と考えていたのですが、やられてしまいました。

さて、そのどんでん返しの正体とは「ホログラフィー原理」のことである。

本著を超えるような適切でわかりやすい説明をできる気がしないので、超超超超超×100000 簡単にホログラフィー原理を表現すると、”3次元は2次元のスクリーンで置き換えして表現することが可能なのだけど、その置き換えに重力は必要ない。”ということだ。

つまり重力など本来存在せず、幻想でしかないということだ。


https://scienceandnonduality.wordpress.com/2014/06/11/why-is-jed-mckenna-anti-science/

たぶんコレだけを読むと、「は?何いってんの?」って思うだろう。
まぁ、当然だ。

実際の著書では、このホログラフィー原理に行き着くまでに、量子論超弦理論の話をしているので、原理は難しくともなんとなくは理解できるようになっている。

このどんでん返しが理解したいなら、ぜひ読んでみよう。
(超投げやり)

重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る (幻冬舎新書)

<概要>

私たちを地球につなぎ止めている重力は、宇宙を支配する力でもある。
重力の強さが少しでも違ったら、星も生命も生まれなかった。
「弱い」「消せる」「どんなものにも等しく働く」など不思議な性質があり、まだその働きが解明されていない重力。

重力の謎は、宇宙そのものの謎と深くつながっている。
いま重力研究は、ニュートン、アインシュタインに続き、第三の黄金期を迎えている。
時間と空間が伸び縮みする相対論の世界から、ホーキングを経て、宇宙は一〇次元だと考える超弦理論へ。
重力をめぐる冒険の物語。

<著者>

1962年生まれ。京都大学理学部卒業。
京都大学大学院理学研究科修士課程修了。理学博士。
東京大学助手、プリンストン高等研究所研究員、シカゴ大学助教授、京都大学助教授、カリフォルニア大学バークレイ校教授などを経て、現在、カリフォルニア工科大学カブリ冠教授および数物天文部門副部門長、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(カブリIPMU)主任研究員。
専門は素粒子論。超弦理論の研究に対し〇八年アイゼンバッド賞(アメリカ数学会)、高木レクチャー(日本数学会)、〇九年フンボルト賞、仁科記念賞受賞。
著書に『素粒子論のランドスケープ』(数学書房)がある。

(Amazonの製品紹介ページより引用)

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