スマートグリッドの可能性について

スマートグリッド(次世代送電網)とは、電力の流れを供給側・需要側の両方から制御し、最適化できる送電網。
専用の機器やソフトウェアが、送電網の一部に組み込まれている。

スマートグリッド化を進めることによるメリットとしては、下記の4点が挙げられる。

1.ピークシフト(昼間電力消費の一部を夜間電力に移行させる方法)による電力設備の有効活用と需要家の省エネ
2.再生可能エネルギーの導入
3.エコカーのインフラ整備
4.停電対策

一方で、スマートグリッドには欠点もあるとの指摘がある。

例えばセキュリティ上の問題。スマートグリッドのインフラには、高度な通信システムや技術が結集することになる。
そこに対する不正操作やウイルス感染などの対策はまだ不十分と言われており、今後セキュリティの脆弱性の克服が必要になるだろう。
-「環境用語集 スマートグリッド』」より引用
https://www.kankyo-business.jp/dictionary/000181.php

スマートグリッドについて

”スマートグリッド”

今やかなり一般的な用語になってるけど、エネルギー業界で超イケてる用語として認知されてるよね。
IT業界で言う、AIとかブロックチェーンみたいな位置づけだ。

それらの例に漏れず、イマイチ実態がわからない。笑

てことで、ちょっと調べてみると、”供給先や供給源に対するロードバランサー(負荷分散)管理機能をもった送電網”って感じだ。

今までは決められた供給元(=電力会社)から、決められた供給先に送るだけって感じだったものを、ソフトウェアの力を使ってより効率よく運用しましょう的な感じだ。

わかるようでわからない…

というのも当然といえば当然で、日本に関して言えば、電力供給が原因での停電なんてほとんどないからだ。
ようするに、スマートグリッドなんてやるまでもなく、日本の電力網は既にスマートなのである。
(米国などと比較すると国土が広くないので、管理が楽という面も少なからずあるだろうが)

日本の送配電線網は、すでに「賢い」と言われており、その安定供給に関するシステムは他の先進国に比べても群を抜いている。
それは、アメリカや欧州の年間事故停電時間が50~100分程度であることと、日本のそれが19分であることを比較すれば明らかだ。
日本の送電線網は通信システムで管理されており、停電や事故の情報を迅速に検知することができる。
そういった意味では、停電対策のためスマートグリッド化は、日本には不要であると言えよう。
一方で、太陽光発電や風力発電をはじめとする、再生可能エネルギーの導入目標達成に、スマートグリッドを構築する必要性は高い。
これらの新エネルギー導入の肝となるのが、スマートグリッド。
太陽光や風力などは、その発電量が天候や気候に左右され、非常に不安定だ。
更に、電力需要が少ない時に供給量が増加してしまうと、配電線に大量の電力が送られ、負荷をかけることになってしまう。
そのため、需要と供給のバランスを調整するなどの系統安定化策が不可欠。
-「環境用語集 スマートグリッド』」より引用
https://www.kankyo-business.jp/dictionary/000181.php

どう使うか

これもAIやらブロックチェーンと同様に、”何をやるのか”が重要になる。
これらはあくまでツールでしかないのだ。

上で述べたように、インフラ整備としてのスマートグリッドは日本には必要ないあるいは優先度が低い)と見て良いだろう。
では、今後スマートグリッドはどのように普及するのだろうか。

ざっくり考えたところ、以下の2つが考えられる。

  1. インフラ整備が十分でない海外への展開
  2. 新規ビジネスとの連携など、インフラ整備以外での発展的利用

「1.インフラ整備が十分でない海外への展開」の方は、論じるまでもない。
世界的に見れば、電力網が整っている国のほうが少ないのではないだろうか。
(ソースはないけど)

ちなみに、これまで発展途上であった国や地域に、最新の技術やインフラが持ち込まれることを”リープフロッグ(カエル跳び)現象”と呼ぶ。
一般的な技術進歩の歴史をすっ飛ばして、すぐに最新テクノロジーを浸透させることができる。

これでどうなるのかというと、今まで経済的にはアウトオブ眼中だった発展途上国が、急に世界の競争市場に躍り出る可能性が高くなる。
今までは名も知れず死んでいくはずだった才能が、世界に羽ばたくことになるのだ。

それはもちろんいいことのはずで、海外でのインフラ発達は、より世界の発展に寄与することになるだろう。

新規ビジネスとどう絡めるか

さて、日本人である我々にとって、より身近に捉えるべきなのは「2.新規ビジネスとの連携など、インフラ整備以外での発展的利用」のほうだ。
紹介している記事でも指摘があるような、ソーラーパネルで自家発電した電気を、電力会社に販売するというのはその代表的なものの1つであると言って良い。

他にも消費電力や生産電力を観測することによる「見える化(ダッシュボード)」あたりがトレンドなんだろうが、どれもイマイチピンとこない

なんだろう、「それスマートグリッドじゃなきゃだめ?」「それ本当に必要?」って感じなんだよな…

自家発電の電力販売は、スマートグリッドでなくても物理的には可能なはずだし、ダッシュボードだって必要な家庭や企業がそんなにあるのかなぁ、っていう素朴な疑問。

ここでキーになるのって、おそらく「協業」じゃないかと。

電力会社単独で、スマートグリッドのビジネスを完結させるのは非常に難しい。
ソフトウェアの利用をする時点で、IT企業とのパートナーシップは必要不可欠だし、自家発電を普及させたければスマートシティとして不動産会社などと一緒に進める必要があるはずだ。

電力会社は、その辺りの協業は従来から取り組んでいるはずで、むしろ得意な分野であると考える。

関西電力株式会社 (以下「関西電力」) とKDDI株式会社 (以下「KDDI」) は、本日、新たなサービスの提供に向けた業務提携に係る基本契約を締結しました。
本業務提携により、2016年4月1日から関西電力の供給エリアにおいて、関西電力の電気とKDDIの通信サービス等を組み合わせた「auでんき」を提供します (auショップやKDDIホームページにて、2016年1月20日から受付を開始します)。
関西電力が電気事業で、KDDIが通信事業で培ったノウハウを活用し、au携帯電話をお使いのお客さまに”よりおトク”で”より便利な”サービスをお届けします。
両社は、今後もお客さまに満足いただける魅力的な商品・サービスの提供に向け協議を進めてまいります。
-KDDI公式ホームページ『関西電力、KDDI 電気と通信を組み合せた新サービスの提供に関する業務提携について』
(http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2016/01/19/1551.html)

電力会社と携帯電話会社が組んで「セット割」を目指す動きが相次いでいる。
東京電力や関西電力に続き、中部電力の計画も明らかになった。
家庭向けを含む電力小売りの全面自由化が2016年4月に迫っており、顧客の奪い合いに備えるのが狙いだ。セット割といえば携帯電話と光回線が有名だが、今後は電気やガス、各種のポイントサービスなどを加え、大きくまとめて消費者を囲い込もうとする動きが活発になりそう。
特に東電の牙城であり、顧客も多い首都圏では激しい戦いが繰り広げられるとみられている。
-日経『電力「セット割」、首都圏が主戦場に』
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO87953200R10C15A6000000/

電力会社における昨今の協業の目的は『顧客の囲い込み』がメインだが、今後ビジネスモデルの上でも協力する必要がある。
それを実現するためには、より強固な関係を築く必要があるだろう。

スマートグリッド事例集

机上の空論ばかり並べても仕方ないので、スマートグリッドの事例を並べときます。
ご参考あれ。

・UAE(アラブ首長国連邦)
UAEでは、再生可能エネルギーだけで電力を賄うモデル都市として開発が進む「マスダール・シティ」プロジェクトが行われています。
主としてアブダビ政府の資本によって運営されているムバダラ開発公社の子会社、アブダビ未来エネルギー公社が開発を進めています。
英国の建設会社フォスター・アンド・パートナーズが都市設計を担当し、太陽エネルギーやその他の再生可能エネルギーを利用して、持続可能なゼロ・カーボン(二酸化炭素)、ゼロ廃棄物都市の実現を目指しています。
他にも先進国から多数のグローバル企業が参加しています。
マスダール・シティには、国際再生可能エネルギー機関 (IRENA) の本部が置かれる予定となっています。

・インド共和国
インドでは、日本が官民一体での取り組みを進めており、2009年12月には日本の環境・システム技術を生かしたスマートコミュニティの開発推進で協力することで合意しました。
これは日本とインドが共同でインド北部の都市デリーと、中部の都市ムンバイの間でスマートコミュニティの実証を行うという一大プロジェクトです。
デリームンバイ開発公社とJETROが協力覚書を締結し、デリーとムンバイ周辺で4都市を選定、モデルプロジェクトを実施することとなりました。
三菱重工、三菱商事、三菱電機、Jパワー、三菱総研、日立製作所、伊藤忠商事、京セラ、東京電力、ハイフラックス、北九州市、エックス都市研究所、東芝、NEC、東京ガス、日揮、荏原エンジニアリング、日本IBM、日建設計、横浜市などが参加予定となっています。
また、GEもインドでの実証実験に参加しています。
同国の電力会社である北デリー電力にネットワーク型資産管理ソフト「スモールワールド」を提供し、100万世帯以上の顧客データベースをわずか2年半で統合、過去5年以内の技術的・商業的損失を53パーセントから15パーセントまで削減しています。
-HPCシステム「海外の実証実験」
http://smartgrid.hpc.co.jp/jikken_kaigai.html

NECのEV・PHV向け充電クラウドサービスと、急速充電器・普通充電器および充電コントローラーを導入したことにより、イオン様の電子マネー「WAON」を活用した充電サービスが実現しました。
これにより、充電器のリーダライターにWAONカードをかざすだけで会員認証が行えるようになり、より手軽に充電サービスを利用できるようになりました。
また、充電器はNECのクラウドにネットワーク接続できるため、充電ログの収集管理や充電器の利用状況、障害情報をリアルタイムに把握することが可能となりました。
今後は、お客さまデータの収集・分析によって、サービスの向上につながるなど新しい付加価値の創出が期待されています。
将来的に充電サービスが課金化した際にも、電子マネー決済システムとして利用することも可能となります。
-HPCシステム「海外の実証実験」
http://jpn.nec.com/case/aeon/

エネルギーの効率的な供給や浪費の抑止を考える上で、IoTのようなテクノロジーは大いなる可能性を秘めています。

電力供給に関していえば、近年になって登場した画期的な仕組みとして、スマートグリッドを挙げることができます。
スマートグリッドとは、既存の発電所や送電網に加え、一般家庭や工場の電力消費値を光ファイバーなどのネットワークで結ぶことで、より効率よく電力を供給するシステムです。
2000年頃から検討が始まり、現在では米国を中心に各地で実用化や研究が進んでいます。

スマートグリッドの導入が進むにつれて、このシステムを基盤とした、さまざまな新しいビジネスも登場しつつあります。
例えば、一般によく知られているものとしては、自宅に設置したソーラーパネルなどから生み出される余剰電力を、スマートグリッドを介して電力会社に販売するようなモデルがあるでしょう。
-【最新テクノロジー×スマートグリッド】が加速させる新たな電気代削減方法
(http://www.mugendai-web.jp/archives/6365?c=113147194022725109)

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