【書評】『暗号解読<上・下>(新潮文庫)』サイモン・シン著

『暗号解読』は、現代人に最低必要な教養です。
僕たちの社会は暗号で成り立っているからです。
インターネットのセキュリティも、全部暗号の世界ですから。
それなのに、誰も暗号の仕組みを知らない。学校でもほとんど教わらない。
みんな電気を使っているのに、事故が起きるまで、原子力発電のことは何も知らなかったのと同じです。
-「『新世代CEOの本棚』 #01.堀江貴文」より引用

今となっては古典といっても過言でない、テクノロジ作家の雄サイモン・シンの『暗号解読』読破しました。

サイモン・シンといえば、『フェルマーの最終定理』でも非常に有名な科学技術ノンフィクション作家だ。
『フェルマーの最終定理』に限らず小難しそうなタイトルの本が多いが、読み出すと止まらない、優れた構成を作るのが非常にうまい。

そんなサイモン・シンが手がけた暗号技術の書籍が、『暗号解読』である。

構成・特徴

本著は、紀元前より行われている人類の「暗号の歴史」を紐解き、「暗号作成者」と「暗号解読者」の戦いを描いている。

メアリ女王の処刑」や「ミッドウェー海戦」などの歴史的エピソードと絡めることで、それ自体は地味で泥臭いはずの「暗号作成」「暗号解読」に、緊張感を持たせ、読者を退屈させない。

本著の一番の特徴は、「暗号」に人間的なドラマを盛り込むことで、単なるわかりやすさに止まらない、優れた解説を行っているところだと考える。

暗号は、往々にして文字数字記号羅列であることが多い。
その暗号のテクノロジを淡々と説明するだけでは、根っからのテクノロジオタクでなければ、途中で飽きてしまうことがほとんどだろう。

しかし、『暗号解読』は、すべての読者を暗号の世界から決して離さない。

メアリ女王(とその協力者)の暗号は、彼女の命を救うのか」
ビール暗号って、マジで見つかってないの?」

今まで興味のなかったものに引き寄せられる感覚は、もはや快感ですらある。

なぜ暗号が必要だったのか

この本を読み進めると、暗号が大きく進化するポイントがいくつかあったように思う。

僕は、中でも最も重要なポイントは『戦争』ではないかと考える。

確かに『コンピュータ』や『量子論』の登場も重要ではあったが、『戦争』のそれと比べると、暗号への取り組み投資はそこまで活発に行われていないように感じる。

なぜだろうか?

答えは明白だ。
戦争は負ければ「死ぬ」からだ。

恋人への恥ずかしいメールの内容がバレたところで、せいぜい笑いのタネになるぐらいだ。
銀行の暗号が破られても、個人や会社の金がなくなる程度だ。

しかし戦争は、負ければ人が大勢死ぬのだ。
だからこそ、国は総力を挙げて強力な暗号を作ろうとするし、敵国の暗号を破ろうとする。

現代社会を取り巻く暗号は、そんな人類の戦いの歴史がもたらした、血と涙と汗の結晶だ。
そんな暗号技術は、今日も多くの人のデータプライバシーを守っている。

戦争を正当化する気は毛頭ないが、戦争はテクノロジを大きく発達させるものだ。
それを否定する者はあまり居ないだろう。

最後に

冒頭で、堀江氏の考えを引用した。

僕も堀江氏の考えに同感だ。
だからこそ本著を読んだ。

暗号に対して前向きに取り組んでる人って周りにあんまり居ないけど、間違いなく社会を支えている技術なわけで。
そんな技術を勉強することは、これからの時代を生き抜くために理にかなっているといえよう。

まぁ、そんなことを言い出すとあれもこれも勉強しなきゃだから、大変なのだけど…
というか、どう考えても時間がないな。笑

少しでも時間を稼ぐために、「レコメンド(おすすめ)」をうまく使うことを、ようやく学び出した自分です。
ここでいう「レコメンド」は、Amazonのおすすめのことじゃなくて、自分の尊敬する人が推してるモノ(分野とか事業とか本とか)を素直に取り込むことです。

別に尊敬する人は誰でも良くて、まずは「誰かのマネ」をして、そのうち自分でも目利きができるようになるんじゃないかなぁ、とか都合いいこと考えてます。

自分にとってはその「誰か」は、ジェフ・ベゾスだったりイーロン・マスクだったり堀江氏だったりするんだが、そういう「誰か」を選ぶ段階で、すでに自分の色が出てるんじゃないだろうか。

ってことで、これからも精進します。



暗号解読〈上〉〈下〉(新潮文庫)

<概要>
文字を入れ換える。
表を使う。

古代ギリシャの昔から、人は秘密を守るため暗号を考案してはそれを破ってきた。

密書を解読され処刑された女王。
莫大な宝をいまも守る謎の暗号文。
鉄仮面の正体を記した文書の解読秘話……。

カエサル暗号から未来の量子暗号に到る暗号の進化史を、『フェルマーの最終定理』の著者が豊富なエピソードとともに描き出す。
知的興奮に満ちた、天才たちのドラマ!

<著者>
サイモン・シン
1967年、イギリス生まれ。
ケンブリッジ大学大学院で素粒子物理学の博士号を取得し、ジュネーブの研究センターに勤務後、英テレビ局BBCに転職。
TVドキュメンタリー『フェルマーの最終定理』(’96年)で国内外の賞を多数受賞し、’97年、同番組をもとに第1作である同名書を書き下ろす。
第2作『暗号解読』、第3作『ビッグバン宇宙論』(以上新潮社刊)がいずれも世界的ベストセラーとなり、科学書の分野で世界トップクラスの高い評価を得ている 。

(Amazonの製品紹介ページより引用)

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