【書評】〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則

デジタル世界に躍り出てくる突き抜けたあテクノロジーに遭遇すると、まずはそれを推し戻したいという衝動に駆られるかもしれない。
止めるか、禁止するか、拒否するか、少なくとも利用しづらくするのだ。
(音楽業界などがいい例である)

不可避なものを阻止しようとすれば、大抵はしっぺ返しに遭う。
禁止は一時的には最良の手段であっても、長期的には生産的な結果はもたらさない。
それより、目を見開いて警戒しながらも利用する方がずっとうまくいく。

-インターネットの次に来るもの 「はじめに」より

テクノロジ系屈指の名著、ケヴィン・ケリー「インターネットの次に来るもの」、やっとこさ読破したんで、忘れないうちに備忘録を。

ケヴィン・ケリー氏は、米国屈指のサイバー・テクノロジ系の雑誌WIRED創刊編集長であり、ITに関して、地球上最も様々なテクノロジーに触れてきた人物といっても過言ではない。

何かの情報を集める時は、その分野に突き抜けて明るい人が集めている情報にアクセスするのが一番効率が良い

なので、あなたがテクノロジに興味がある人なら、ケヴィン・ケリー氏の集めた情報にアクセスできる本著に触れるということは、とても理にかなっている

インターネットは、世界をたちまち変えた素晴らしい技術の一つであるが、そんなインターネットの””がどうなるのか。
気になる人は迷わず読むべきだろう。

大まかな流れ

本著の大まかな流れとしては、下に示す、インターネットが変革させるものに共通する”12の段階”を軸に、今後のテクノロジの変化を論じるものになっている。

  1. BECOMING
  2. COGNIFYING
  3. FLOWING
  4. SCREENING
  5. ACCESSING
  6. SHARING
  7. FILTERING
  8. REMIXING
  9. INTERACTING
  10. TRACKING
  11. QUESTIONING
  12. BEGENING

それぞれの項目の詳しい内容は、実際に本を読んでもらうのが一番良いのだが、それだとわざわざこんな記事をエラそうに書いている意味がないので、各項目を簡単に要約してみる。

間違ってたり、解釈の違いがあればツッコミをお願いします。

それぞれの段階

1.BECOMING
あらゆるマシンやサービスが、裏でこっそり自らをアップグレードする。
そのアップグレードによる変化は、従来とは比べものにならず、我々の知らないうちに何か別のものに”なっていく(BECOMING)”ような感覚になる。

2.COGNIFYING
現在あるプロダクトに、人工知能などを組み込み”認知化(COGNIFYING)”する。認知化されたプロダクトは、今までとはまるで違う動きをする上、人口知能とプロダクトの垣根がなくなる。

3.FLOWING
あらゆるものが無料でコピーされ、ネット上に”流通(FLOWING)”するようになる。コピーされたものは編集や共有が可能になり、オープン化していく。コンテンツそのものではなく、どう編集しリアクションするかに価値が生まれるようになる。

4.SCREENING
読書や映画鑑賞などのあらゆる行動や活動を、テクノロジーの窓、つまり”画面上で行う(SCREENING)”ようになる。これにより、あらゆるものがソーシャルになる。例えば本は全て、Wikipediaのようにハイパーリンクで繋がるようになる。

5.ACCESSING
モノを所有することには意味がなくなり、代わりに”アクセスする(ACCESSING)”ことが重要になる。プロダクトの非物質化が進み、サービス化することにより、ユーザーと企業の関係は、より長期的なものになる。

6.SHARING
大衆は、ある目的に向かって(無意識に)対価なく働き、成果物をタダで”共有する(SHARING)”。例えばGoogleは、ユーザがハイパーリンクを貼るたびに、そのサイトへの信頼性を表す重み付けと判断しており、この流れが加速する。

7.FILTERING
大衆は、無数に増えていく情報や選択肢を”選別する(FILTERING)”必要がある。ビッグデータによる個性の認知によりそれは加速し、「興味のあるものを表示する」「興味のありそうなものを表示する」などのいくつかの段階を経て行われるようになる。

8.REMIXING
新たなテクノロジーは、今までのテクノロジーを”掛け合わせる(REMIXING)”ことにより生まれる。「非破壊編集」により、いつでもやり直せることが、”掛け合わせる”動きをより加速させる。

9.INTERACTING
仮想現実に限らず、あらゆるサービスは現実世界と”相互作用(INTERACTING)”するようになる。バーチャルと現実世界との境目は無くなり、相互作用しないものは壊れている、とまで感じるようになる。

10.TRACKING
あらゆるものが測定可能になり、”追跡する(TRACKING)”できるようになる。
追跡したデータは自分という存在を明確に表すことになり、より正確な医療などのサービスが提供できるようになる。

11.QUESTIONING
世界中の人が、あらゆる知や情報をアップロードする。さらにそれらはハイパーリンクで繋がる。人々はサーチエンジンなどを利用し、その知にいつでも”質問する(QUESTIONING)”ことができる。

12.BEGINNING
テクノロジーが向かう先は、一つである。アップロードされた全人類の知能や個人情報、感覚までもつなぎ、超知能で解析を行う、一つの惑星や巨大文明のようなものだ。その範囲や具体的な形は定まっていないが、人間にマシンが加わって、相互関係をより複雑にするものになるだろう。

まとめ

テクノロジーの進化の段階について、簡単にまとめてみた。
難しすぎて、よくまとめられないのとかあったけど。笑

SHEARINGとかTRACKINGINTERACTINGあたりは、そこそこ形になってるものがすでに世の中にあるので、結構イメージしやすいのではないだろうか。

COGNIFYINGFLOWINGとかは、普段から情報の流れを意識していると、「あ〜確かに」って納得できる内容ですな。

逆にQUESTIONINGかなり抽象的なんで、ちゃんと読み込まないと意味不明なまま終わります。笑

最後のBEGINNINGは急に壮大な話になるけど、総括的な意味合いが強いので、おまけ程度に楽しめればいいんじゃないかと思う。

最後に

この手の本読むと、「こんな未来ほんとに来るの?」って考える人も多いと思う。

ま、これから先何が起こるか誰もわからないから、約束は誰にもできないけど。

どうせなら、便利な未来を期待したほうがいいんじゃないですかね。

冒頭で引用した通り、時代の大きな流れに人間は逆らえない。
短期的にはなんとかなったりするが)

大切なのは受け入れることで、受け入れた上でどうするかを考えるべきなのだ。
人はそれを”建設的”という。

そして今は、今後のテクノロジー変化の原点にあると言える。
世の中の自称アイデアマンたちにも、著者はアドバイスをくれているので、最後に引用してさようならとしたい。

2050年の年寄りたちはあなたにこう語りかけるだろう。
2016年当時にもしイノベーターでいられたなら、どんなにすごかったか想像できるかね、と。

そこは広く開かれたフロンティアだったんだ!
 どんな分野のものも自由に選んで、ちょっとAI機能を付けて、クラウドに置いておくだけでよかったんだよ!
 当時の装置のほとんどには、センサーがいまのように何百じゃなくて、一つか二つしか入っていなかった。

期待値や障壁は低かった。
一番になるのは簡単だった。
そして彼らは「当時は何もかもが可能だった。そのことに気づいてさえいれば!」と嘆くのだ。

 つまりこういうことだ。いまここですぐに、2016年から始めるのがベストだということだ。

歴史上、何かを発明するのにこんなに良いときはない。いままでこれほどのチャンスや、いろいろな始まりや、低い障壁や、リスクと利得の格差や、収益の高さや成長が見込めるタイミングはなかった。
いまこの瞬間に始めるべきだ。
いまこそが、未来の人々が振り返って、「あの頃に生きて戻れれば!」と言うときなのだ。

-インターネットの次に来るもの 「1.BECOMMING」より

〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則

<概要>
AI(人工知能)は電気のように日常を流れ、VR(ヴァーチャルリアリティ)は現在のスマートフォンのような存在となる
─ベストセラー『テクニウム』でテクノロジー進化の普遍的原理を鮮やかに描き出した著者が、今後30年間の間にわれわれの未来が不可避的に向かう先を、12のキーワードから読み解く待望の書!

<著者>
ケヴィン・ケリー(Kevin Kelly)
ワーイアード創刊編集長。1952年生まれ。著述家、編集者。
1984〜90年までスチュアート・ブラントと共に伝説の雑誌ホール・アース・カタログやホール・アース・レビューの発行編集を行い、93年には雑誌WIREDを創刊。
99年まで編集長を務めるなど、サイバーカルチャーの論客として活躍してきた。
現在はニューヨーク・タイムズ、エコノミスト、サイエンス、タイム、WSJなどで執筆するほか、WIRED誌の〈Senior Maverick〉も務める。
著書に『ニューエコノミー 勝者の条件』(ダイヤモンド)、『「複雑系」を超えて』(アスキー)、『テクニウム――テクノロジーはどこへ向かうのか?』(みすず書房)など多数。

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