みんな、SI業界って引くぐらい大変よ-システムインテグレーション崩壊 (斎藤昌義)

こんなブログを書いておいてなんですが、一応SI業界のイチ営業マンなんで、読んでみました。

内容ですが、業界の構造問題をマジでうまく捉えています。
普段仕事していて感じるリスクや、危機感が並んでいて、読んでて膝を打ちまくってました。

SI業界の人間はもちろん、これから就活をする人、入社予定の人には是非読んでおいて欲しいですね。

では、具体的に中身に入りましょう。

SIビジネスには、その前提に大きな矛盾が存在する

ちなみにこの見出しの文言、本著でもいきなり登場します。
“は?”って感じでですよね。

矛盾って何なのかというと、工数積算で金額が決定するのに、成果保証を求められる。ってことです。

要するに、金を払うものと成果物が違っていて、そこにねじれが生じてしまうんですね。
ユーザーは人件費を払ってるのに、求められるのはシステムの完成なんです。
これにより、SI事業者は、作業負担が増大するリスクを抱えたまま、低利益の仕事をするハメに。

確かに、この仕事してるとSE作業が発生する案件がめちゃくちゃ怖いんですよ。
うまくいくかどうか気が気じゃないし、途端に仕事が忙しくなる。笑
実際に全然プロジェクトが上手くいかなかったうえ、賠償払わされるような案件抱えてる先輩もいました。

じゃあ、この前提をどうひっくり返すのか?
つまり、人月工数積み上げでない仕事のやり方の部分ですが、著書でいくつか実例をあげてます。
可能な限りリンク貼って、見せてみたいと思います。

サブスクリプション

○ソニックガーデンが得意とする、”納品のない受託開発”として、月額定額でオーダーメイドの受託開発を行う収益モデル

企業URL:http://www.sonicgarden.jp/32

 ・お客様から開発を請け負ったシステムを、パブリッククラウド基盤で本番稼動させ、運用保守まで請け負う

 ・開発規模の上限を決め、料金を固定。開発順位をユーザーと確認し、継続的にシステムの完成度を高める

 ・資産計上せず、経費として計上できる

 ・顧客の業務の変化に追従できる

レベニューシェア

○成果報酬の一つ。システムを利用して得られる収益の一定割合を報酬として受け取る方式

日本ユニシスコンセプト:http://www.unisys.co.jp/tec_info/tr113/11302.pdf

 ・初期開発費は受けとらない

 ・開発するシステムが売り上げに直結する場合に採用される

 ・顧客とベンダーが、ゴールを共有できる

成果報酬

○初期費用を受け取らず、システムを利用した量に応じて料金を支払う

 ・NTTデータがANAの貨物事業向け基幹システムの構築に実施。貨物の輸送量に応じて支払いが発生

NTTデータ事例:http://www.nttdata.com/jp/ja/case/voice/2013081401.html

 ・業績に応じてコストが変動するので、「払える時に多く、払えない時に少なく」が実現できる

まとめ

こんな収益モデルもアリなんじゃないですか?っていうものの一例でした。

なんとな〜く、どれも人月工数の積み上げより良さそうな感じがしますね。笑
ただ、開発費や初期費用をなくすことはある種のリスクにもなるので、顧客の与信情報やビジネスの展望に、より注意を配りたいですな。

こんな内容、SI業界を志望する就活生に見せていいのか?という一抹の不安がありますが、見ておくべき本ではあります。
すでに入社予定の人は、この本の内容を押さえとけば、研修で一目置かれるんじゃないですかね?
若い内から、ここまで先を読んで考えられるのって、すごい重要なことです。

ちゃんと中身を理解する必要があるから、簡単にはいかないと思いますが。笑

以上、駄文失礼しました。


システムインテグレーション崩壊 ~これからSIerはどう生き残ればいいか?(技術評論社)

<概要>
国内の需要は先行き不透明。
案件の規模は縮小の一途。
単価が下落するばかり。
クラウドの登場で迫られるビジネスモデルの変革。

工数で見積もりする一方で、納期と完成の責任を負わされるシステムインテグレーションの限界がかつてないほど叫ばれる今、システムインテグレーターはこれからどのように変わっていくべきか?

日本IBMの営業を経て、数多くの企業にコンサルティングを行う著者が、豊富な図解とともに現状とあるべき姿を解説する。

<著者>
斎藤 昌義

ネットコマース株式会社代表取締役。
1982年、日本IBMに入社、営業として一部上場の電気電子関連企業を担当。
その後営業企画部門に在籍の後、同社を退職。

1995年、ネットコマース株式会社を設立、代表取締役に就任。
産学連携事業やベンチャー企業の立ち上げのプロデュース、大手ITソリューション・ベンダーの事業戦略の策定、営業組織の改革支援、人材育成やビジネス・コーチングなどに従事。

ユーザー企業の情報システムの企画・戦略の策定、IT企業とユーザー企業の新しい役割を模索する「ITACHIBA(異立場)会議」を企画・運営

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